燃え尽き症候群と感情労働

看護師の業務は多岐にわたります。医療的な処置、患者の生活介助や移動介助、事務作業などたくさんの仕事をこなしながら、患者を多方面からケアしています。患者や患者の家族の精神面でのケアも重要です。医師が治療に専念できるように、看護師は先々を見越した準備をし患者の様子を確認します。診察が始まれば患者は医師とやり取りしますが、処置や検査、診察の待ち時間など看護師に接する時間が長くなります。特に入院中の患者は、病院が生活の場となり病棟に医師がいないこともあることから、看護師とコミュニケーションを取ることが多く、質問したりお願い事をすることが多くなります。

患者の処置や介助、精神面でのケアをおこなう時など多くの場面で、看護師は感情労働をしています。患者と接する時間が多くなることから、患者に寄り添い自分の感情をコントロールしながら接する機会が増えます。

患者からもらう感情がネガティブな感情が多かったり、自分がおこなった感情労働の労力に見合わない対価しか得られなかった場合、報われない気持ちになることがあります。これが長期的に続くと、ストレスがたまってしまい、心が疲弊してしまいます。看護師は業務量も多くストレスを感じやすいので、やりがいを感じられず報われない気持ちが続くとバーンアウト、いわゆる燃え尽き症候群になってしまうこともあります。

使命感が強く責任感のある人がなりやすい傾向があり、もう頑張れないと心が折れてしまい燃え尽き症候群になると退職してしまう人もいます。このように追い詰められてしまう前に、仕事が終わればただの一人の人間になり気持ちを切り替えることが大切になるでしょう。